行き先も見えず、多岐亡羊

おじさんがダラダラ書いている日記的なモノ

平和な光景

 

11月9日、天皇陛下即位を祝う国民式典。

無数の日の丸の旗が一斉に振られる光景を見て、母が言った。

「 平和な光景だねえ 」。

でも、私は思った。「 これは平和を象徴する光景なのだろうか? だって、太平洋戦争中だって、同じような光景はあっただろうに。 」

ただ、口には出さなかった。母はもともと物事を深く考える人では無いし、歳も歳だ。何かを感じて自然に出た言葉がそれだったというだけ。それなら、無理に否定することも無い。

それに否定なんかすると、まるで私が天皇否定、国旗否定の共産主義者のようになってしまう。そんなのゴメンだ。「 天皇のために旗を振っていた人々が戦争で酷い目に遭った 」 なんて絶対に言いたく無い。

その光景自体には不自然さは無い。天皇陛下の即位を祝って、国旗を振っていただけ。昔のことはいざ知らず、現在は平和な光景。あの場にいたなら、私だって国旗を振りたい。

 

式の最後に天皇陛下、万歳三唱。

伊吹議員の万歳三唱の後、どこからか声が聞えてきて、「 天皇陛下万歳 」 「 皇后陛下万歳 」 は天皇・皇后が退場するまでずっと続いた。スゴクしつこくて変だった。AERAのネット版にも載っていたから、このことに違和感を抱いた人は多かったようだ。最初、どこかの右翼団体がやっているのかと思ったが、それにしては、声がデカい。主催団体発表によると、これはプログラム通りで、声の主は影のアナウンサーとのこと。何じゃ、それ? この式典で正体を明かせないアナウンサーっておかしいだろう。ひょっとしたら、あの日本会議が絡んでいるのかもしれない。

  

11月10日、祝賀御列の儀。仰々しいネーミングだが、要はパレード。

路上パレードは本来、誰もが見ることが出来て、誰もが歓声を挙げることが出来るもの。だって、なんのためのパレードかといえば、姿を直接披露することで、親近感を得るためだから。でも、一帯は封鎖され、40か所の荷物検査所が設けられた。もちろん、危険物持ち込みは以ての外だが、自撮り棒も規制対象。子供を肩車することも禁止。通路沿いの近隣のビルでは屋上・ベランダに出ることは禁止。経路沿いの豊川稲荷も閉鎖されたとのこと。動員された警察官2万6千人。なかなか物々しい。政府と警察は騒動を完全にシャットアウトする意気込み。

平成のパレードでは、爆竹が投げ込まれ、30件以上の反対デモが起きた。確か御成婚パレードでも乱入者がいたはず。やっぱり、世の中、馬鹿はいる。警察の体制はやり過ぎにも見えるが、これも仕方無いのかも。

10万人以上の人が狭い地域に押し寄せたことで、保安検査場で入場規制され沿道まで入れなかった人も多かったとか。ご苦労さま。私はTV中継で充分。

あまりにも厳重警備で、過激派もやる気にならなかったのか、騒ぎは起きなかった。とりあえず、ウチの母が感じたように、日本は平和だ。

 

私は天皇陛下が好きだし、現在の在り方に何の不満も無い。

でも、過度な天皇礼賛は気持ち悪い。「 天皇さん、ありがとう 」 と感謝はしても、「 天皇陛下万歳 」 の連呼はしたくない。そんな形で敬愛の念を表したくない。日の丸を振る光景、天皇陛下への敬意が、偏狭なナショナリズムに利用されないように。それだけ願う。

 

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11月8日、香港のデモでとうとう死者が出た。

デモの最中、大学生が高所から転落したらしい。

突き落とされたのか、それとも、滑って落ちたのか、詳細は不明。

 

6月に始まったデモは6か月目に入った。

すぐに収束すると思ったのに、長引いている。当初、問題点だった犯罪者の引渡条例は廃案となった。デモ隊は勝利を掴んだはずなのに、立ち止まることなく、行政府をさらに追詰める。要求はエスカレートし、香港政府が呑めないレベルに達している。今まで押さえつけてきた鬱憤が噴き出た形。こうなると、どこに着地点があるのか、双方ともに終わりが見えない。

 

11月11日、警官が発砲して、二人負傷。

10月にも高校生が撃たれて負傷した。覆面警官が暴徒に襲われる事件や親中派の議員が刺される事件も起こった。報道によると、最近のデモ隊のスローガンは「 中国人に報復せよ 」 だそうな。本日、二人目の犠牲者が発表された。詳細は不明だが、デモ隊では無く、巻添えで亡くなったようだ。衝突が続けば、もっと死ぬだろう。

 

最近のデモ隊はやり過ぎのように見える。公共交通機関への妨害や街中での放火。警官への暴行も。あれを日本でやったら、間違いなく非難される。大衆の支持は得られない。

然しながら、デモ隊の行動の背景には、昨今の香港・中国政府による抑圧がある。一国二制度の前提は覆された。自由が奪われ、人権は蔑ろにされた。香港市民は新しく主となった中国政府に馴染むために、経済のために、欧米とは違う価値観にじっと我慢していた。しかし、一気に箍が外れた。

 

5年前の雨傘運動は頓挫した。経済優先を考え、中央政府との対決を望まない市民からの支持が得られなかった。尻つぼみとなり、最後には強制排除された。今度もそうなると思ったが、そうならなかった。デモ隊は過激化し、徹底してやるつもりだ。

対して、政権側は手を拱いている。力で解決することは簡単だが、現在の世界情勢の中で躊躇っている。欧米は5年前ほど中国の味方では無い。特にアメリカの対決姿勢が鮮明だ。強制排除すれば、刺激することは確実。でも、大統領選挙が近づいてきたトランプ大統領は、あまり中国と揉めたくも無い。米中貿易戦争のこれ以上の激化は経済に悪影響がある。このあたりの判断は微妙。

決断の速い中国政府がものすごく迷っている。

 

香港人にとっての、平和な光景はどんな光景なのか。

どうやら、中国本土の人間のそれとは違うということに今更ながら気付いてしまったらしい。それなら彼らは戦わなければならない。このままでは、飲み込まれるだけだから。

でも、中国政府が退くとは思えない。中国本土の人間には、彼らなりの平和の光景がある。香港にも本土並みを求めたが、長く英国管理下に置かれ、欧米の影響下にあった香港人はやはり中国人には成れなかった。両者が見る光景が違うなら、己の尊厳に掛けて戦わなければならない。長く苦しい戦いになるだろう。

 

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「 日本人は水と平和をタダだと思っている 」 イザヤ・ベンダサンの言葉。

最近、水と水道を巡る問題も取り沙汰されてきたから、タダだと思う人は少ないだろう。一方、平和はタダだと思っているかもしれない。未だに憲法9条さえあれば、日本は守られると信じている人もいるみたいだし。

でも、現在の日本人が大した努力をしなくても、平和を得ているのは先人の苦労のおかげ。いや、先人が犠牲を払った上での平和。

平和はタダじゃない。

これを忘れると、いずれ平和は失われる。

 

三歩進んで、二歩下がる

 

ベルリンの壁は一夜で出来上がったそうだ。

第二次世界大戦終結し、米ソ冷戦の時代へ。ソ連支配地域の東ドイツの中にベルリンはあり、西側地域を米英仏、東側をソ連が管理していた。飛び地に当たる西ベルリンは資本主義陣営にはとっておきのショーウインドー。豊富な物資を投入、西側の豊かさを宣伝した。一方、ドイツとの地上戦で疲弊したソ連にはそんな余裕は無い。ドイツから奪い取れる物は奪い取る。市民にとって、どちらが良いかは明確で、東から西へ脱出する市民が続出。東側は市民の流出を食い止める必要があった。そこで浮上したのが、壁を造る計画。もちろん告知なんてしない。深夜に、軍隊主導の作戦として密かに速やかに遂行された。

 

最初は支柱を建て、有刺鉄線を引いた簡素なものだった。抜けようと思えば抜けられるので、東側は大量の兵士を動員したが、それでも人員は不足していた。なので、早急に行動を起こし、西側に脱出した人も多くいた。でも、年老いた両親、幼い子供を抱えた人たちにはそんなことは出来ない。事態の推移を見守ることしか出来なかった。状況を軽視して、「 すぐに撤去される 」 と考えた人もいただろう。しかし、事態は悪化の一途。西側の反発にも拘わらず、壁は強化され、常態化した。コンクリートの壁と見張り塔が建設され、脱出を試みる者は射殺された。かくして、壁はその後28年間、世界の分断の象徴となった。

 

ケネディレーガンジョン・レノンデビッド・ボウイ、様々な人が具体的な方法で無くなることを訴えた壁。突然、壁がハンマーで叩き壊される映像が飛び込んできたのは、私が20歳の時。時代を象徴した壁。結局、壁を直接目にする機会は無かったけれど、なんとなく懐かしい。

 

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そもそも共産圏で隔離された地域・西ベルリンとはどういう町だったのか。少し検索してみる。

西ベルリンの広さは400k㎡。東京23区 ( 600k㎡ ) よりは狭く、名古屋市 ( 300k㎡ )、大阪市 ( 200k㎡ ) よりは広い。世界地図で見てしまうと小さく見えるが、まずまずの広さ。この町を囲った壁の長さは150㎞にも及んだ。東京駅から富士山の麓くらいまでの距離。

人口は200万人。東京23区900万人、名古屋市230万、大阪市270万なので、それなりの消費人口がいたようだ。しかし、よくもまあ、敵に囲まれたこの地にこれだけの人がいたものだ。

飛び地なので、西側からの移動手段は飛行機しかないのかな、と思ったら、東ドイツ内の決められた高速道路と鉄道を利用して入域出来たようだ。ただ、東側の監視塔が建ち、誰も途中で、乗り降り出来ない。西からの物流網は細く、東側がその気になれば、閉鎖することが出来る。消費都市はあっという間に物資が不足することになる。

それが現実になったのが、ベルリンの壁が出来る13年前に起こったソ連による西ベルリンの封鎖。まあ、スターリンの気持ちも少し分かる。社会主義陣営の中にぽっかり出来た西側の飛び地が鬱陶しくて仕方なかったのだろう。ベルリンの統一支配を狙ったが、西側陣営は大量の物資を空輸して市民の生活を支え、スターリンの目論みは失敗に終わった。もし、西ベルリンが東ドイツに組み込まれていたら、当然、ベルリンの壁も存在しない。となれば、「 ベルリンの壁崩壊 」 という分かり易く可視化された冷戦終結のイベントも無かった。

 

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11月9日。

1989年の壁崩壊から30年の式典が開催された。

 

アメリカが20世紀の主役なら、ドイツは20世紀の影の主役。第一次世界大戦の敗退に始まり、ヒトラーの台頭、共和政の崩壊、ユダヤ人排斥、第二次世界大戦敗退、分断国家、壁の建設と崩壊、統一後の混乱まで。

20世紀に混迷を極めたドイツは今世紀に欧州のリーダーとなった。責任感を感じたドイツ人はナチズムと壁を反省する。反面教師、やってはいけないこと。東ドイツ地域出身のメルケル首相が移民に寛容な姿勢を貫いたのも、この反省から来ている。でも、やり過ぎれば、薬も毒になる。

「 30年前、ベルリンの壁は崩壊しましたが、現在、世界には再び壁が出来ようとしています 」 とニュース番組で予想通りの嘆き節。でも、これは一方的な物の見方。現在の西欧への移民の多さは異常。人口の10%を優に超える。「 多すぎる 」 と感じる人は寧ろ普通。逆に東欧諸国は、人口流出で壁の無い世界への疑念が湧いている。これ以上グローバル化を進めるなら、どこかで不満が爆発する。

 

ただ、心配しなくても良いと思う。

人類は今までだって、壁を造っては、壊してきた。

壁が造られることには理由がある。

漢民族万里の長城を築いたのは、北方民族の侵略を防ぐため。東ドイツには壁を造る以外に市民の流出を食い止める方法はあったか? 同じく、トランプ大統領が壁を造るのも、必要だから。イギリスがEU離脱するなら、アイルランド国境に壁は必要。壁無しでどうやって管理するつもりなのか。

壁が造られることを嘆くのは筋違い。壁を壊したければ、壁が無くても済む状況を作り出す必要がある。

 

急進的なグローバリズムに疲れてしまった。

異なる背景・思想を持つ人々が和解するためには時間と根気が必要だ。理解出来たり出来なかったり、抱き合ったり喧嘩したり、近付き過ぎて苛立つ時には、壁を造って距離を取る。ちょっと、ブレイクタイム。

「 一日一歩、三日で三歩、三歩進んで二歩下がる 」

あんまり、進んでねーじゃん! それでも、少しずつだけど、世界の融和は進んでいるように感じる。

 

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ヒトラーの時代には、インターネットは無かった。制限された情報の中、妄想は膨らみ、敵の姿は強大で俗悪なものになった。でも、現代では、情報通信分野の発達で人々は物理的な壁を越えられるようになった。

情報過多の時代は、それはそれで、フェイクニュースが氾濫し、プロバガンダに操られる危険性を孕んでいる。間違った情報に操られて、間違った行動を取ることもあるだろう。でも、情報で個人と個人が繋がる時代はまだ始まったばかり。以前より相互理解は進んでいるように感じられる。

人類はそんなに馬鹿な生き物でも無いと思う。いや、馬鹿な生き物かもしれないけれど、少しずつ前進する生き物だと思う。だから、焦らなくても大丈夫。経済格差・情報格差が生み出している現在の混乱はいつか解消される。賢い誰かがナイスなアイディアを出してくれる。資本主義でも社会主義でも無い、新しい社会を構築してくれる。それが十年後か百年後かは知らないけれど。きっと、その時に壁は壊れるのだろう。

 

欧米様に追随する必要は無い

 

「 オリンピックにも出場したスノーボーダー国母和宏大麻製品を輸入したとして大麻取締法違反で逮捕 」

田代まさし覚醒剤所持で5度目の逮捕 」

高樹沙耶外国特派員協会のインタビューで、日本人の大麻への無理解と大麻合法化を訴える 」

 

薬物ニュース3連発。

やはり3つ揃うと、それなりのインパクトがある。国際舞台で活躍する初逮捕のスポーツ選手と再犯に次ぐ再犯で地に堕ちたタレントと大麻合法化を訴える逮捕歴のあるタレント活動家。ニュースの色も多彩だ。

今年も芸能人の薬物関連のニュースが世間を大きく賑わせた。叩かれ謝罪する姿が痛々しかった。しかし、薬物常用者たちは怯まない。「 あんなに叩かれるなら止めよう 」 とは思わない。止めるに止められない人もいるだろうが、悪いと感じていないのだろう。彼らはこう言いたいのだ。

「 世界では大麻合法化に動いている。日本は遅れている 」

大麻合法化に動いているのは、欧米の一部の傾向。でも、それを「 世界 」 と表現してしまう。「 欧米 = 世界 」 と考える人たち。欧米様のやることは正しいとの固定観念。そろそろ、こういう主張自体がカッコ悪いということに気付いてほしい。

 

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私は薬物の知識ゼロだったけれど、最近の報道やネット検索で、少しずつ分かってきた。

確かに、大麻にはそれほど大きな害は無いらしい。飲酒の酩酊状態に似ているとのこと。ある程度節度のある使い方なら、いわゆる「 ヤク中 」 「 廃人 」 になることは無い。喫煙や飲酒と比べても、害が少ないのではないかとも言われている。ただ、常用し続けた場合のダメージについては、まだはっきりしたことは分からないらしい。

効用が認められる部分もある。最近よく耳にする医療用大麻がそれ。鎮痛・沈静作用があり、末期がん治療にも有用とのこと。また、嗜好品として大麻を吸引すると多幸感を呼び覚まし、リラックスした気持ちになるようだ。ストレスでギスギスした日本人にぴったりの薬かもしれない。

 

ただ、大麻は薬物の入門編。

正確な割合は分からないが、大麻を嗜好品として利用した人のうち何割かは大麻では物足りなくなってくる。初心者から中級者へ。より強力な薬物へステップアップする。そして、さらに中級者の何割かは上級者へ。つまり、大麻によって、裾野が大きく広がれば、それだけ頂上まで登る人も多くなるということ。もちろん、それは一握りかもしれない。でも、大麻に出会わなければ、穏やかな人生を送ることが出来たかもしれない人が、確実に身を持ち崩す。

合法化推進者は、大麻を入口にして、ハードドラッグに進んだ人がいても、自己責任の言葉で済ませてしまうのだろう。「 大麻だけなら大丈夫なのに、強力な麻薬に手を出した奴が悪い 」。とても無責任。こういう自己責任論には賛同できない。

 

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薬物で逮捕されても初犯なら執行猶予が付いて、放免される。一応、反省はするらしい。「 もう薬物はやらない 」 と心に誓う。しかし、更生しようと施設に通う人を待ち受けるのは、薬物の売人。

売人は、街中で、「 麻薬いかがっすか? 」 と大声を上げる訳にはいかない。彼らは馬鹿じゃない。需要のあるところに売りに行く。で、手っ取り早いのは麻薬中毒者の更生施設。やはり、一度ハマった人はその快感を忘れられないらしい。誘惑に負けてしまう。「 一度だけだから。 」 でも、一度で止められる人間なら、こんな施設に通う必要は無い。結局、良い顧客になる。こうして、同じ過ちを何度も繰り返す。

 

アメリカで大麻は罰金刑。日本では逮捕される。これは重すぎる。 」 という意見がある。でも、大麻は自宅で栽培できる植物。罰金で済むなら、罪悪感は薄れる。交通違反に罪悪感を抱かないのと同じこと。栽培と販売が加速する。あちこちで大麻パーティが開かれる。爆発的に拡販されれば、警察もイチイチ取り締まってはいられない。アメリカと同じく見逃すことになる。事実上の解禁、かくして、日本もドラッグ大国の仲間入り、誰でも大麻の吸える国へ。何%かは筋金入りのジャンキーへレベルアップ。アメリカを真似て、都市にはジャンキーの集まるスラムが生まれることになる。

 

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大麻推進論者が言うように、大麻合法化だけに絞って考えたら、それほど問題ではないだろうとは思う。大麻にはメリットもある。でも、大麻自体より、それに付随する問題が大きい。エスカレートして廃人になる人が増えて、大麻による酩酊運転で事故が起こって、大麻入り菓子を食べて子供が死ぬという事態が発生して、「 安全第一 」 の国・日本が大騒ぎする様子が容易に想像出来て、ああ、面倒なことになるなあ、と。

大麻が解禁されて、企業が参入して利権が生まれてしまったら、もう後戻りは出来ない。愛好家が増えれば、大麻廃止を訴える政治家は選挙で当選出来ないだろう。

 

日本は大麻後進国でもいいんじゃない? 性急に合法化を急ぐ必要は無い。外国で、効能・健康被害・副作用が研究され、問題点が明確になって、安全な利用方法が確認されてから、“ それじゃ、どっこいしょ ” と重い腰を上げれば良い。

後進国となれば、産業としては先進国に負けるけれど、アメリカから輸入すれば、貿易赤字解消にも役立つだろう。

 

それに、日本が重い腰を上げる頃には、大麻先進国で、問題が顕著になっているような気がする。何かの病気の発生率が異常に高いとか。やっぱり、規制が必要と言っているかも。事は健康と安全に関する問題。慎重な態度で臨んで良い。

大体、なんでアメリカ人は、健康志向でタバコを止めたのに、大麻を吸うんだろう? アホだ、あいつら。

 

岬を越えた先に

 

15世紀末にアフリカ大陸南端の岬・喜望峰を発見したのは、バーソロミュー・ディアズ。彼は苦難の航海から、この岬を「 嵐の岬 」 と呼んだ。しかし、東洋への道が開けたことを喜んだポルトガル王がもっとポジティブな印象の「 喜望峰 」 に変えた。まあ、「 嵐の岬 」 よりは、「 喜望峰 」 の方が行きたい気分になる。

 

1869年にスエズ運河が出来るまで、西洋と東洋を行き来する船は、ほとんどこの岬の沖を通った。ザビエルさんもシーボルトさんも、天正遺欧少年使節も長州ファイブも。人だけではなく、鉄砲が東洋へ運び込まれ、香辛料や茶が西洋に届けられた。日本の漆器も西洋貴族たちの元に届けられ、JAPANと呼ばれ愛用された。

そんな喜望峰南アフリカ共和国にある。

 

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11月2日、ラグビーW杯決勝。

開幕前日でもそれほど話題に上らなかったW杯は、日本代表チームの活躍もあり、尻上りに盛り上がり、最高のフィナーレを迎えた。

戦前はイングランド有利だと思われていた。なんといっても、三連覇を狙っていた、あのオールブラックスニュージーランド代表チームに勝利したのだから。しかも、1次予選で、南アフリカオールブラックスに敗北している。となれば、イングランド優勝は固いだろう、と思われたが、世の中そんなに単純な方程式でも無かった。

 

英王室からヘンリー王子来日。イングランドラグビー協会の名誉総裁を務めているらしい。決勝の相手がウェールズだったら、どっち応援したんだろ? 貴賓席の隣には秋篠宮殿下。最近、叩かれ気味の二人。悪童で、叩かれ慣れしているヘンリー王子に比べ、優等生の秋篠宮でも難癖を付けられ、いろいろな方向から叩かれる。王族・皇族、現代社会を生きるのは共に大変だ。

絶好調だったイングランドチームの風向きが変わったことで、「 ヘンリーが行ったから、負けた 」 って言われなきゃいいな、と思っていたが、批判の矛先は、銀メダルを拒否したチームの振舞いに向けられた。敗者の不作法ほど見苦しいものは無い。

 

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あまり馴染みの無い国・南アフリカ

でも最近なら、ブブセラの音を思い浮かべる人も多いのかな。

私は、南アフリカといえば、1988年に公開された映画「 遠い夜明け 」 を思い出す。反アパルトヘイトを訴える指導者ビコと白人記者ウッズの実話を基にした物語。二人の出会い・立場を越えて理解を深めていく様とビコの過酷な運命を描いた前半。後半は国家の監視対象となったウッズ一家の逃避行。国家の暴力の怖さをまざまざと感じられる映画だった。あの頃の南アフリカは「 怖い国 」 だった。

 

だから、国の方向性が変わって、マンデラが大統領になった時、とても驚いた。彼も反アパルトヘイト運動で27年に及ぶ獄中生活を送っている。日本人には想像出来ない価値の急転換。

マンデラは、白人に復讐しなかった。白人の富を取り上げ追放することを要求する黒人たちを宥め、協力関係を築くことを訴えた。その融和の象徴がラグビーチーム「 スプリングボクス 」 だった。

 

アパルトヘイト政策下で、ラグビーは裕福な白人のスポーツ。「 スプリングボクス 」は白人ナショナリズムの象徴で、黒人からは嫌悪された。地元開催の試合で、黒人たちは 「 スプリングボクス 」 にブーイング、他国チームに声援を送った。マンデラはこのチームが黒人の間で愛されるように、また、チームが黒人と触れ合うように、取り計らった。

当時、チームには黒人選手は1人しかいなかった。しかし、今回の代表チームでは、初めて黒人のコリシ選手が主将に選ばれた。コリシ選手はアパルトヘイトが廃止された91年生まれ。貧困の中で育ち、自分がキャプテンになることなど、全然想像出来なかったという。優勝カップを掲げたコリシ選手を囲むチームメイトには、白人も黒人もいた。この国の先行きが明るいことを感じさせる優勝だった。

 

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然しながら、南アフリカの現状は、このチームのように明るくはない。

TV番組でアフリカ大陸を旅する千原せいじさん曰く、南アフリカでは、自動車を停車したら、ギャングが襲撃してくるとのこと。だから、道に迷っても、絶対に、その辺りの人には訊かない。また、早朝・深夜の移動時には赤信号も無視。理由は同じく、停車したら襲撃されるから。日本の常識など通用しない。

 

アフリカ大陸で、経済大国としての存在感を発揮する南アフリカ。ただ、経済状況は良くない。格差が大きく、失業率は高止まり、治安も悪い。現在でも、富の多くは白人に独占されている。マンデラの融和政策は失敗だったのではないか? 白人を甘やかし過ぎたのではないか? そんな声もあるという。南アフリカという国が本当に結束するには、もう少し時間がかかるかもしれない。

 

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西洋人は喜望峰を越えて、東洋へやってきた。良い事ばかりでは無い。軋轢もあった。西洋人の身勝手が現在の紛争の元になっているところもある。違う人種、違う宗教、違う考え方に苛立つ人たちの間で分断が起こっている。このところ、グローバリズムのネガティブな面ばかりが強調される。

でも、違う民族がその壁を乗り越えて、同じ目標に向かって精進する姿は美しい。「 スプリングボクス 」がそれを教えてくれた。いや、彼らだけではなく、日本代表も同じ。肌の色は関係無い。同じジャージを着ていれば仲間だ。そして、同じスポーツを愛するのなら仲間だ。現実の問題はとりあえず脇に置いて、その先にある、大きな目標を夢見させてくれる。これが国際スポーツ大会の在り方なのだと思う。

 

絶望と魅惑のコントラスト

 

その時、綺麗だな、と思ってしまった。

暗闇の中、黄金色に染まって燃え続ける首里城

何かの祭りか、或いは映画の1シーンかと思えるくらい豪快に燃えていた。

 

「 見るに堪えない 」 との感想を抱く沖縄県民も多く、愛着を抱いていた方々の絶望感・喪失感に思いが至らない訳ではない。また、その経済的損失も分かる。今後の再建費、また、観光への損失。何百億か何千億か。

それを「 美しい 」 と思うなんて、不謹慎窮まり無い。でも、率直にそう感じてしまったのだから、どうしようもない。骨組みを残して、赤々と照らされるその姿はあまりにも魅惑的過ぎた。あれほど見事に燃えている建物を見たのは初めてだ。いや、「 ミシシッピーバーニング 」 以来かな。全く悲観的な感情が湧かなかった。多分、沖縄訪問が無く、首里城を直に見たことが無いからじゃないかと思う。

 

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スプリンクラー無し 」 「 塗料には桐油という燃えやすい油が混ざっていた 」 「 可燃性の漆も使われていた 」 「 放水銃が4基設置されていたが、使えなかった 」 「 外壁に水の幕を張るドレンチャーは作動したが、延焼を防げなかった 」

これだけ条件が揃っていたら、そりゃあ、燃えるんじゃない?と素人ながら思う。

 

「 韓国人が放火犯 」 何の根拠も無い流言飛語がネット上で飛び交ったようだ。何が面白いのか? 韓国には正々堂々とこちらの主張を通すことが必要。ヒステリックな韓国叩きはヒステリックな反日と変わりない。こういう馬鹿なデマは何の役にも立たない。ただ一つ言えるのは、韓国人が放火するとしたら、首里城ではない。あの神社だ。

 

首里城祭 」 開催中で、イベント業者が夜遅くまで作業していたとのこと。その電源は南殿から取られており、火元は正殿付近と見られていることから、出火原因とは見られていない。しかし、現場検証で、正殿の配電盤付近から出火した疑いが濃厚となり、やっぱり、何か関連はありそう。きっと、業者はいたたまれない気持ちだろう。

 

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玉城知事は訪韓中だったが、知らせを受け、急遽帰国した。

なぜか日韓不仲の時勢に韓国へ観光アピール旅行。

昨年、沖縄への入域旅行者は約1000万人。そのうち、外国人は300万人。台湾90万、中国70万、韓国50万。ボイコットによる韓国人観光客の減少はここでも顕著で、8月は前年比8割減。おそらく今年は10~20万程度になるだろう。しかし、韓国人は入域観光客の5%、外国人のうちでも16%にすぎない。北海道・九州での深刻さと比較して、それほど重要な顧客とはいえない。常に日本政府に反抗的な玉城知事。この人のやることは、まるで日本への当て付けのようだ。

 

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ノートルダム大聖堂の火災の際には、世界中の億万長者が真っ先に巨額の寄付を表明した。「 100億 」 なんてデカい単位が飛び交って、さすが世界の富豪はケタが違うなあ、なんて感心した。ただ、あれほど「 オレもオレも 」 と手を上げたにも拘わらず、「 どうぞどうぞ 」 なんてギャグのような展開で、実際の寄付金はそれほど集まっていないらしい。さすが欧米人、自己アピールだけは得意だ。

そこへいくと、奥床しい日本人。日本の金持ちで首里城再建への寄付を表明した人は誰かいるかな。きっと名乗りを上げず、陰でこっそりしているのだろう。

 

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現在進行形の名古屋城の木造復元事業のことを思った。

戦火で焼かれてしまったのは、首里城と同じ。戦後、逸早く復元されたが、焼失したトラウマからガチガチの鉄筋コンクリートのビルになった。城らしさは外観のみ。城というより、資料館。ただ、この60年、燃えなかった。

耐震性の問題で建て直されることになり、河村名古屋市長が音頭を取って、木造復元されることになった。「 昔の姿を復元する 」 との触れ込み。まさか100%昔のままでは無いよね。キチンと防火設備は完備されているんでしょうね?

 

歴史を見れば、京都御所江戸城金閣寺、吉原遊郭、京の都も江戸の町も、木と紙で出来た日本の家屋は貴賤の壁を乗り越えて、よく燃えた。第二次大戦中、アメリカ軍が分析した通り。忘れないように。

 

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報道で初めて知ったのだけど、今年1月に復元事業が完了したばかりとのこと。1958年、日本本土復帰の前から守礼門など少しずつ復元し、89年から事業は本格化、92年に正殿の復元完成。2000年には首里城跡が世界遺産に登録、同年のサミットでは、北殿で各国首脳の夕食会が催された。

最初の守礼門から60年、本格的に事業が開始されてから30年、長い年月を掛けて復元し、まさに、これから沖縄のシンボルとして、フル稼働していこうという矢先での不幸。沖縄の人たちは心底落胆しただろう。

こういう歴史を知っていたら、「 美しい 」 なんて思わなかっただろう。知らないことは罪だ。

 

首里城世界遺産だと思っていたけれど、首里城跡の遺構の部分が世界遺産だと知った。なので、世界遺産登録自体には問題無いようだ。復元部分は燃えて灰になったけれど、名誉は残った。その誇りを胸に再び立ち上がるしかない。

 

裸一貫

 

村西とおる 』 といえば、アラフィフ辺りのおっさんなら、知らない人はいない。80年代後半から90年代前半にかけて「 ナイスですねえ 」 で一世を風靡した男。

最近あちこちで取り上げられていて、なんで今更?と思っていたら、自伝が映像化され、話題になっているとのこと。

 

実はこの人のあの映像を見た事が無い。

いや、「 私はAVを見ない 」 なんて格好付けるつもりは無い。それなりの数を見たのだけど、嗜好が違うのか、村西作品には巡り合わなかった。

作品を見た事無いから、どういう状態で、あのセリフが使われるのか知らなくて。容姿を褒める言葉なのか、それとも、腰を振りながら発する言葉なのか。まあ、知る必要も無いけれど。最近、村西監督がTVに出演していて、由来を話していた。

「 女性はいつでも不安なものなんですね。『 私のアソコ綺麗かしら 』 なんて。だから、黙ってマジマジ見るなんてダメです。安心させるために、一声掛けてあげるんです。 」

ふーん、覚えておこう。もはや、使う機会も無いけれど。

 

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お馴染みの「 駅弁 」。

この人が世に広めたとは知らなかった。チョコボールさんだと思っていた。

 

「 AVの仕事の前に、ホストをしていたことがありまして。ある時、妙齢のご婦人にお持ち帰りされたんです。で、その時にリクエストされたのが、駅弁。その方は旦那さんを数年前に亡くされていて、駅弁売りだったそうです。夫婦思い出のプレイだったんですね。久しぶりのプレイに思い出したのか、感極まって泣き出してしまったりして・・・。ただまあ、その時は特に何も思わなくて。

後々、AVを撮影するようになった時、最初は全然売れなくて。SEXなんて誰でも出来ることですから。何か特徴的なこと、差別化を図らなくてはならないと思いまして。それで何か無いかな、と考えた時に思い出したのが、あの “ 駅弁 ”だったんです。 」

良い話のような、そうでもないような。まあ、とにかく経験が生きたことは間違いない。

 

他に、男性の主観での撮影方法もこの人が元祖。

たくさんのスタッフに囲まれた現場の雰囲気に臆した女優がいて、どうしても出来ないと言う。しかし、監督と二人だけなら撮影に応じるとのことで、男優+カメラの二役をこなしたのが、キッカケとのこと。

 

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「 日活ロマンポルノではリアルな性が描かれなかった。でも、人間の真実を描くには性愛のシーンこそが大事なんです。業界草創期の社長たちから“ 本番SEXなんてとんでもない。当局から目を付けられたら、業界が潰される。 ” って、批判を沢山受けた。でも、私は人生崖っぷちで業界に突入したから失敗するわけにはいかない。食べるためにやらざるを得なかったんです。 」

 

「 必要は発明の母 」

この引用が適格かどうかアヤシイが、とにかく、新参者が台頭するためにはイノベーションを起こすしかない。他者との差別化を図り、新機軸を打ち出す。どこの世界でも通用する考え方。

おそらく、「 人間の真実を描くには・・・ 」 の部分は後付だろう。そんな崇高な目的意識ではなく、とにかく、成り上がるためにはどうするかしか考えていなかったのだと思う。

もし村西監督が、業界の常識に縛られたり、既得権者からの非難に怯んだりしたら、日本のAVは今でも日活ロマンポルノの延長線上。その是非はともかく、個人的には、村西監督に感謝。

 

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全盛期の売上は年間100億。月に一億はプライベートで使っていたとのこと。女優たちを連れて、豪華なショッピング。常にアタッシュケースに3000万くらい入れて持ち歩いていた。一番高価な買い物はヘリポート付きクルーザー。マンションも幾つか。しかし、90年代にバブルが弾け、AV業界も下火になる。事業の失敗もあり、会社は倒産、借金は50億に上った。

 

「 借金を返すために、撮りまくりました。撮影している部屋の隣りに次の女優を待機させて、もう次から次です。2日で50人と絡んだこともあります。でも、その後、おしっこした時に、アソコの血管が切れました。 」

 

壮絶な話だ。もうスゴイとしか形容出来ない話。金の話も、性交の話も。

私はアタッシュケースいっぱいの札束を見ることは死ぬまで無いだろうし、そんなにたくさんの女性を相手にすることもないだろう。第一、相手が一人でも途中で・・・って、私の話はどうでもいい。

そんなに一日中、エレクト出来るというのは、どういう状態なのか、もう全く理解不能。性欲なんて概念を超越した話。

 

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丁寧かつ落ち着いた口調で訥々と性交について語る村西氏は、真面目なのか不真面目なのか、オカシナ存在なのだけど、笑っていいのかどうかも微妙で、不思議な印象が残った。エロジジイという呼び方も違うような気がするほど達観した雰囲気で、ある種の物事を極めた人間の凄味を感じた。

 

前科7犯。真っ当な人間ではない。ブラックとホワイトの間で、濃いグレー。でも、世間体など気にしない。善悪の彼岸を飛び越えて、自分の抱えた業に向かって突き進む。御大は70歳を超えているが、まだ現役。

有料配信で、村西監督の自伝的ドラマを鑑賞するのは、おそらくバブル世代かバブルに少し到達出来なかった人たち。昭和の時代の奔放な空気を微かに覚えている。コンプラ重視で、小さな失敗も許されない現代日本社会に息苦しさを感じる世代。破天荒な生き方に懐かしさを抱くのかもしれない。

 

映画のように丸く治まれば良いのだけど

 

【 数本の映画のネタバレあり。読む場合にはご注意を。ただ、新作は無く、10年以上前の旧作ばかりだけど。 】

 

思い返すと、80年代は米ソ冷戦を背景に核戦争をモチーフとした映像作品が花盛りだった。ハッカー少年の悪戯が元で核戦争の危機を迎える 『 ウォーゲーム 』、核戦争後の世界からタイムスリップしてきた殺人マシーンと闘う 『 ターミネーター 』、直球で核戦争前後の世界を描いた 『 ザ・デイ・アフター 』 など。マイケル・ムーアが影響を受けた核戦争のドキュメンタリー『 アトミックカフェ 』 もこの時代。映像業界というところは、社会の空気を敏感に捉えて、上手く製品加工して、お金儲けに繋げるのが上手いなあ、と感心する。

 

でも、レーガンゴルバチョフが握手して、ベルリンの壁が叩き壊され、冷戦終結ムードが漂うと、世界はホッとしたけれど、ハリウッドは敵を失って右往左往した。そして、行き場の無くなった核兵器はテロリストの手に渡るようになった。いや、もちろん映画の中の話。

「 あんな美人の科学者いないだろう 」 というN・キッドマンが失われた核爆弾を追いかけ、ジャック・ライアンの住む街では、実際に小型核が爆破し、お馴染みボンドさんやイーサン・ハントも核の脅威に立ち向かった。でも、核爆弾は現実感を失ってしまったのか、近年は安上がりで手軽な細菌兵器の方が多いように思う。

 

しかし、現実の世界はまた核臭くなってきた。米露の中距離核ミサイル廃棄条約は破棄され、米中露は新型核兵器の開発を進め、北朝鮮では実用可、イランでもそのうち実用可。核保有国のインドとパキスタンは緊張を高めている。

また、映画の中で、国家間の核戦争の危機が復権する時も近いかもしれない。

 

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パキスタンのカーン首相は、カシミール地方を巡って険悪な関係となっているインドとの間で核戦争が起こるかもしれないと語った。

 

インドとパキスタンは、第二次世界大戦後に英国から独立。しかし、その際、ヒンドゥ教のインドとイスラム教のパキスタンに分離した。かの有名なガンディーは両国を和解させようと奔走したが、ヒンドゥ原理主義者に裏切り者として暗殺されてしまった。その後、三度に渡る戦争。97年に両国共、核開発に成功してからは、抑止力が働いて、大規模な軍事行動は起きなかった。

でも、今年、カシミールで起こったテロの報復として、約50年ぶりに、インドはパキスタンへ越境空爆を実施。また、カシミール地方の自治権を剥奪、イスラム教徒の不満は堪り、両国の緊張は高まっている。

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カーン首相は元クリケットの選手。スポーツマンならスポーツマンらしく、戦争ではなく平和的解決を、と思うのは、私が平和ボケした日本人だからだろう。元々スポーツ選手は闘争心の塊だ。代表チームのキャプテンを長年務めたこともあり、国に対する責任感が強いのかも。

 

一方、インドのモディ首相は、ヒンドゥ原理主義者。日本人にとっては、対中国で共闘してくれる“ いい人 ” だけど、イスラムに対して強硬な態度を取る。下位カーストから立身出世した人だけに負けん気が強いのかもしれない。

 

果たして、核の抑止は効果があるのか。

自分が破滅することが分かっていても、相手を破滅させたいか。米ソではかろうじて保った自制力が、インド・パキスタンでは効き目があるのか。

 

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映画『 ウォーゲーム 』のラストシーン。

核ミサイル発射のカウントダウンに入った中央コンピューター、ジョシュアに、主人公は三目並べをしようと提案する。このゲーム、相手がミスしない限り、絶対に勝敗が付かない。シミュレーションの末に、ジョシュアは学習する。「 核戦争に勝者はいない。 」。時は1983年、米ソ冷戦の真最中。核戦争したって、痛み分け。やらない方がいいよ、と訴える映画。

 

でも、片方が核を持って、もう一方は持っていなかったら、どうなるか?

勝敗は誰がどう考えたって明白。だから、片方が核を持てば、もう片方も持つ。持たないのは、よほどお人好しか、現実から目を逸らしている場合。

毒を以って毒を制す。核を持って核を制す。

残念ながら、世界はそういう風に出来ている。

 

新作映画公開関連でTV放送されていた『 ダークナイト 』。

クライマックスはバットマンと悪役ジョーカーの対決だが、その一つ前に緊迫する山場がある。

ジョーカーが仕掛けた運命の選択ゲーム。一般人が乗る船と囚人が乗る船。それぞれに爆薬を仕掛け、交互に起爆装置を持たせた。先に相手を爆破した方の船は助かる。双方押さなければ、二隻とも爆破する。

一般人たちは考える。「 相手は囚人船だ。札付きのワルたち。殺しても良いだろう。第一、グズグズしていたら、こちらが爆破される。 」 囚人たちも考える。「 どうせ、俺たちは悪人だ。今更、悪いことの一つや二つ増えたところで。 」でも、双方、考える。「 殺らなきゃ、殺られる。でも、自分の身を守るために相手を殺しても良いのか。 」 ボタンを押すことを躊躇う。

 

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所詮、映画は映画。フィクションの世界。

もし、それが現実だとしても、本当にボタンを押さないかな?

本当に信じることが出来るだろうか。

例えば、相手が「 ならず者国家 」 でも。

日本人は北の独裁者を信じることが出来るか?

彼が、ボタンを押さないと信じることが出来るか?

なかなか人を信じることは難しい。

 

世相

 

「 そりゃ、わいはアホや。酒もあおるし、女も泣かす。せやかて、それもこれもみんな芸のためや。今にみてみい、ワイは日本一になったるんや。日本一やで。わかってるやろ、お浜。なんやその辛気臭い顔は。酒や酒や、酒買うてこい! 」

 

都はるみさん・岡千秋さんのデュエット「 浪速恋しぐれ 」のセリフパート。大正・昭和初期に活躍した上方人気落語家、初代・桂春団治をモチーフにした歌。この歌の通り、「 THE 芸人 」破天荒な人生だったらしい。

1983年のヒット曲。ハラスメントやDV、コンプライアンスなんて言葉が日本に無い時代。まだ、芸能界には興行の胡散臭さがあり、春団治的な生き方を踏襲した、私生活に問題のある芸人たちも多く残っていて、この歌にもリアリティがあった。

しかし、21世紀、令和を迎えた日本で、この曲はもはやファンタジーと化している。もちろん、こういう類の人間自体は絶滅していない。しかし、この歌の通りに振舞って、それが週刊文春で暴露された日には、その芸人が表舞台に復帰する可能性はほぼゼロ。時代は変わった。

 

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チュートリアル徳井義実さんの税務申告漏れは、昔の芸人から見たら、「 その程度のことでガタガタ騒ぐな 」 と笑っちゃうくらい可愛いオイタ。でも、現代の法令遵守重視のシビアな世間から許されることは無い。

 

そもそも、何で吉本は、徳井さんの納税を指導しなかったんだろうと思ったら、徳井さんは2009年にチューリップという個人事務所を開設していて、そこから所得を得るという形になっていた。個人事務所のメリットはもちろん、節税。所得税より法人税の方が断然安い。

 

吉本所属芸人で個人事務所って、明石家さんまさん以外、聞いたことが無い。検索したら、オール巨人さん、加藤浩次さん、ココリコ田中さんなど、ごく少数。記事によると、ギャラ2000万以上ある芸人が作るとのこと。でも、吉本にはもっと売れっ子がいるはずなのに、個人事務所は無い。以前、ダウンタウンの浜田さんが、トーク番組で「 オレ、金の管理が出来へんねん。 」 と言っていたから、やはりそういう人間には向かないのだろう。

会社を作るって、ズボラな人間には出来無いはず。昔、起業した人に聞いた話では、起業時に官庁関係に提出する、ものすごい量の書類にサインするとのこと。まあ、現在はもっと簡略化されているかもしれないけど。徳井さんは、節税のためとはいえ、自分がズボラだということを分かっているのに、なんで会社を作ろうと思ったんだろう。信頼できる事務の人間を一人置いて、任せることも出来たはずだけど、それもしなかったようだ。

 

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吉本は当初、謹慎無しで済まそうとした。

創業者が朝ドラヒロインにもなったくらい歴史ある会社。その歴史を紐解けば、一癖二癖ある芸人がワンサカ出てくる。おそらく吉本としては、この件はそれほど悪質ではないとの認識だったのだろう。逮捕された訳ではないし、ヤクザが絡む話でも無い。「 想像を絶するだらしなさ 」 という「 不完全な人間でゴメンナサイ 」 のポジションで言い逃れようとした。実際、本当にルーズな人間だったようだ。

しかし、「 韓国 」 「 災害 」 で肩が凝る深刻な話題に疲れてしまったワイドショーには、久しぶりに美味しい芸能人ネタ。「 思い切りパンチを打ちたい 」 ワイドショー番組ははりきって脱税の状態を事細かに検証。「 海外旅行も必要経費に 」 「 三年申告無し 」 の事実が晒されて、「 金の管理が出来ないダメな奴 」 のイメージは覆され、「 悪質 」 の烙印を押されてしまった。もう評価を変えることは出来ない。結局、徳井さんはTV出演を自粛することになった。

 

「 人生最高レストラン 」 は休止。10月からリニューアルして、新たに島崎和歌子さんが加わったばかり。島崎さん、可愛いのになあ。なんか、ツイてない。こういう星の許に生まれた女性らしい。「 深イイ話 」 にはチュートリアルで出演。しかし、紹介カットでトリミングされ、福田さんだけ紹介。コメント・ワイプ無し。ただ、ワイドのショットでは映っていた。「 しゃべくり007 」、ゲストは映画告知の福山雅治さん。大物登場となれば、休止出来ないし、不自然な編集も出来ない。ガッツリ映っていた。でも、発言部分は可能な限りカットしたようだ。色男二人のツーショットも無かった。東海ローカルの生放送情報番組 「 大徳さん 」 には出演見送り。もう一人のMC・ビビる大木さんだけで番組進行。本田望結さんと共演したエディオンのCMは徳井さんの部分を削除したバージョンを放送。

一番困ったのが、NHK大河ドラマ『 いだてん 』。 今週末放送分に徳井さんの出演シーンがある。すでにクランクアップ、セットもバラしてしまって代役での撮り直しは不可能。結構重要な役らしくて、どうするのかなあ?と思っていたが、可能な限りカットすると報道された。私はこのドラマの味方なので、上手く編集出来ることを祈るばかり。春先にコカイン所持で逮捕されたミュージシャンに続く二回目の不祥事。なんか祟られている? 神田明神でお祓いした?

最初、TV各局は問題視しないスタンスだったが、世論の厳しさに屈したのか、結局、自粛に動いた。これが令和元年の世相。

 

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どのくらいの期間で復帰出来るのか、本当に復帰出来るのか。

吉本制作、あるいは息の掛かった番組は多いから、機会は多い。その辺りは弱小芸能事務所とは違う。後は、タイミングと出し方。不祥事芸能人も、復帰したり、しなかったり、活動が縮小したり、変わらなかったり、謹慎期間も数か月から数年まで、とケースバイケース。ほとぼりはいつ冷めることやら? そういえば、「 闇営業 」 関連で、人気者が降板してから、もう三か月か。吉本の仲間が席を守っているけれど、この先どうなるのかなあ。

 

TVタレントなど、いくらでも代わりはいる。20・30歳代で燻っているタレントは山ほどいる。ただでさえ、数の決まった牌を奪い合う芸能界。足を引っ張る奴はいくらでもいるだろう。自ら不祥事を起こして脱落していく奴が悪い。

私は徳井さんが復帰しようとしまいとどちらでも良い。醜男のやっかみも少し入っているかな。でも、M-1グランプリで優勝した時のネタ、些細な物事に固執する少し変態チックな男は面白かった。徳井さんは、爽やかさと優しさと狂気、独特の空気を纏っている芸人だと思う。失われてしまうには、惜しいような気もする。

 

拗れた関係

 

「 韓国と北朝鮮が統一すれば、中国にとりこまれて、日本の敵になる。だから、日本は韓国と仲直りして、西側陣営に残さなければならない 」 と主張する人がいる。

メリットは分かる。駐留米軍がいるとはいえ、日本だけで中露と対峙するよりも、日韓で合同して防衛した方が良いに決まっている。GDP・軍事費、日本は、すでに中国に歯が立たない。近くに味方がいた方が良い。

でも、それは日本の都合に過ぎない。日本はずっと韓国に最前線で防波堤になってもらっていた。「 侵略されるなら日本ではなく、まずは韓国 」

こういう人たちって、友好・平和を強調しながら、一番韓国人に失礼なことを言っていると思う。南北で終戦なんかしないで、いつまでも日本人のために壁になってね、と言っているに等しいのだから。

 

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韓国が何を選択するかは韓国人が決めること。

日本には日本の都合があるように、韓国には韓国の都合がある。

彼らが民族統一を願う気持ちは分かるし、日本を批難したい気持ちも分かる。また、戦後の軍事政権を支えた日本に対する嫌悪感も感情的には理解できる。戦後、朝鮮半島に生まれた人たちは、直接的な日本人に対する恨みはないだろうが、教師が「 日本人は悪い奴ら 」 と言えば、大多数はそう信じるだろう。

彼らは、もう日本の役に立つことをするのが嫌なんだ。

 

でも、日本人が韓国人の道理に付き合う必要は無い。

日本は謝罪を続けてきた。でも、韓国はまだ物足りず、永遠に土下座し続けることを望んでいる。また、両国間の過去の約束事も反故にして、韓国が望む新しい関係を構築したいようだ。もちろん、日本人がそれに応える必要は無い。

謝ったし、手を差し伸べたし、援助もしてきた。でも、未だにゴチャゴチャ言う。誰でも身の周りにそんな奴がいるのでは? そいつと一生付き合いたいか? 隣人だからといって、特別扱いをすることはない。友人を選ぶ事が出来るように、日本にも選択権はある。誰と仲良くし、誰と絶交するかは自由だ。

 

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日本は韓国と良き隣人になるべく協力してきた。でも、それは失敗に終わった。もう韓国は日本を重要国とは考えていない。日韓友好に骨を折ってきた人たちには、長年の努力が灰塵に帰すところを見ることは辛いだろう。しかし、日本が未練たらしく、復縁を迫る必要は無い。

日本人が考えるべきは、日韓連携による安全保障・経済協力に拘るのではなく、新たな枠組みを作ること。防衛白書で示したように、豪・印・東南アジアとの連携。今度の展開によっては、台湾との連携。そして、ロシアと良好な関係を築く外交努力が求められる。経済のサプライチェーンも新たに構築し直せば良い。日韓は、英国とEUほど密接だった訳でもないのだから、やり直しは効くだろう。

 

韓国の人口は日本の半分、GDPは3分の1だが、軍事費は、日本の8割くらい。日本の防衛費が横ばいなのに比べ、近年顕著に伸張しており、数年後には日本を超えるとも言われている。よくも 「 安倍は軍国主義者 」 などと言えたものだ。ちなみに、韓国 + 北朝鮮の兵員数・航空戦力・戦車・艦艇、数の上では、日本の数倍。もちろん、兵器の新旧はあるし、徴兵された人数も含むので単純な戦力比較は出来ないが、朝鮮統一軍を侮らない方が良い。しかも、北の核ミサイルが廃棄されるか微妙。彼らはその日まで着々と準備している。

日本はどうする? これほど敵意剥き出しの国が近くにあるという現実をどう捉えるのか? ボケてる場合じゃないと思うよ。

 

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ただ、こんな日本人の懸念を他所に、最近分からないのが、金正恩の姿勢。悉く、韓国に冷たい。

サッカーW杯アジア予選、韓国 - 北朝鮮戦は平壌で開催された。観客・報道陣すべてシャットアウト、生中継無し、無観客の静まり返ったグラウンドで行われたという。この冷遇ぶりは何なのだろう。

確かにトランプとパイプの繋がった現在、文在寅は用済み。南北の交流が進めば、韓国の経済力に飲込まれる危険はある。自分の地位が脅かされることへの不安も。でも、文在寅は日本への強硬姿勢と違って、北には低姿勢で協力的。もはや、遜っていると言っていい。多少我儘言ったって南は怒らないし、圧力を掛けて更に譲歩と協力を引き出したいのは分かるけれど、やり過ぎれば南だって怒り出す。サッカーの試合くらい協力すれば良いのに。

 

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22日の即位礼に併せて李首相が来日、安倍首相との会談も行われた。でも、誰が来ても、向こうに具体的な改善の意思が無いのなら、結果は同じ。会談時間が、10分だろうと一昼夜だろうと同じこと。特に進展は無いだろう、との大方の予想通り、特に進展は無かった。

 

安倍・文・トランプの誰かが変わらない限り、状況は変わらない、との記事が出ていた。でも、文大統領が変わっても、「 反日 」 が韓国国民の支持を得られることが分かっている以上、保守・革新、どちらになろうと妥協することはない。朴槿恵だって、友好的では無かったし。安倍政権が終わっても、韓国にうんざりした日本人の感情が変化することもない。

ただ、アメリカ大統領が民主党候補に代わったら、状況は変わるかもしれない。きっと従来の日米韓の枠組みに拘るだろう。日韓を仲良くさせるには、日本に妥協を迫るのが一番手っ取り早い。強引に握手させられる。そして、再び日本人に鬱屈したマグマが堪ることになる。

拗れた関係をどうするかを決めるのは、アメリカではない。経済界の一部には、仲介しないトランプに苛立ちを見せる者もいるが、日本に妥協を迫る仲介なら無くてもいい。「 隣人だから、仲良くしなくちゃ 」 なんて、思わない。韓国人が妥協しないなら、日本人が妥協する必要は無い。

 

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ラグビー日本代表チーム、韓国籍の具智元選手。中学生の時から日本に住んでいるという。日本のラグビーで得た経験と知識を生かし、いずれは帰国して母国のラグビー発展に役立ちたいだろう。日本の高校生が韓国好きなのも、メイク術や韓流スターに日本より魅力的なものを見出したから。相手の良いところ、優れたところ、素敵なところを見習って、取り入れる。正しい交流が出来ない訳じゃない。

 

韓国には良いところもいっぱいある。・・・たぶん。

どこが?と問われると、答えに窮するけれど、好きな人もいるのだから、きっとあるのだろう。・・・たぶん。でも、最近は、お互い不毛なアラ探し。残念ながら、それが日韓関係の現実。

 

雨男? 晴男?

 

平成2年11月12日に前回の即位礼正殿の儀が行われた・・・らしい。

全然記憶に無い。ニュースを見た覚えすら無い。あるいは、ニュースは見たのかもしれないが、「 ふーん 」 と右から左へ抜けて行ったのか。

この日、私は何をしていたのだろう? 遊んでいたのか、呑んだくれていたのか。まあ、仕方無い。当時は、天皇のことなんて気にもしなかった。「 いなくて良くない? 」 とすら思っていた。共産党と同じ。でも、共産党は、「 いなくて良い 」理由を持っているが、私には、そんなものは無い。要はどうでもよかった。

まったく、馬鹿な若造だった。時をこえることが出来るなら、ぶん殴ってやりたい。今も馬鹿なおっさんだけど、少しだけマシになったと思う。

 

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愛知県は、昨夜からの雨が上がり、晴れ間も見えてきた。しかし、映像の中の東京は大雨。そういえば、令和初日、5月1日も曇りのち雨の不安定な天気だった。天皇陛下は雨男か?

 

令和元年10月22日。午前9時から即位礼当日賢所大前の儀、及び皇霊殿・神殿報告の儀。これは皇室の儀式で、天照大神、皇室祖先、国内の神々への即位の報告。着用していたのは、純白の「 帛御袍 」 ( はくのごほう )。あれ? 黄土色の「 黄櫨染御袍 」じゃないんだ? GWの儀式の時、皇室祭祀には「 黄櫨染御袍 」を身に着けると言っていたから。なぜ「 帛御袍 」なのか? TV番組を変えて、検索もしてみたけれど、誰も説明してくれない。

 

おすべらかしって、地毛? ウィッグ? あのボリューム感はウィッグか。専門の床屋でもいるのかな? くっ付けるの、大変そう。皇室ブームが起こっても、おすべらかしでコスプレした人は見た事無い。形作るのが難しいからか、右翼が不敬だ!って怒るからか、それとも、「 あれはちょっと・・・ 」 と思うからか。

 

午後1時から、即位礼正殿の儀。

直前まで降っていた雨のため、中庭に並ぶはずの80人の宮内庁職員たちは館内に。せっかく武人の装束をした晴れ舞台だったのに。一人では着用出来ない、かなり面倒な代物らしくて、専門の知識をつけた職員二人係りで着付けするとのこと。職員たちも残念だろう。

 

来賓の席には、森・小泉・福田・麻生の元首相が並んだが、元民主党の元首相たちの顔は無かった。呼ばれなかったのか、出たくなかったのか、あるいは、いたけれど、目立たないところにいたのか。まあ、別にいいけれど。

昭恵夫人のドレスが物議を醸したらしい。でも、専門家曰く、デイドレスの範疇なので、ドレスコードには違反していないとのこと。何にでも、難癖付けたがる人たちがいる。それにしても、昭恵夫人は叩き易い位置にいるなあ。

 

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「 世界中から要人が来日 」。でも、行政の長はあまりいない。王室関係や儀礼国家元首が多い。ドイツやパキスタンに大統領がいることを初めて知った。

行政の長で来日したのは、フィリピン・ドゥテルテ、ウクライナ・ゼレンスキーなど。いろいろ問題を抱えていて、日本と仲良くする思惑がある国々。

トルコのエルドアン大統領は出席予定していたが、急遽中止。シリア・クルド問題を協議するためにロシアに飛んだ。微妙な駆け引きが必要な情勢。歴史的親交国よりも現在の国際関係の方が重要。

なぜか香港の林鄭月娥長官が出席した。旬な人。息の詰まる香港を脱出したかったのか? 他にやることあるだろうに。

前回の即位礼に出席した故ダイアナ元皇太子妃の映像が度々紹介された。でも、チャールズ皇太子と仲良くしている映像は一つも無かった。この2年後に別居、6年後に離婚。御年70歳、冠が跳ばされる可能性もある皇太子は、今回カミラ夫人を同伴しなかった。なんだか一人ぼっちで哀愁が漂っていた。

フランスからは王室専門誌が取材に来ていたらしい。そんな雑誌があることに驚き。王様の首をちょん切った国なのに? いなくなったら、いなくなったで、欲しくなるものなのかも。

 

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今回も皇族の出席者は成人だけで、皇位継承のホットな二人、愛子内親王悠仁親王の姿は無かった。次の天皇はどちらかで間違いないのだが、皇太子の役割はいつから、どのように始めるのだろう。ずっと秋篠宮にやらせる訳にもいかない。

 

女系天皇を真剣に検討した方が良いと思う。

私は女権論者ではないので、男性の皇位継承者がたくさんいたら、そんなこと言わない。でも、現実問題として、悠仁親王一人しかいない。リスクマネジメントを考えても、これは忌々しき事態。

女性天皇では一時しのぎ。問題を先送りするだけ。第一、悠仁親王だって、天皇にはなれず、後継者を作る義務だけ押し付けられたら、たまったもんじゃない。

明治天皇の玄孫・竹田恒泰氏は、旧宮家復活を訴えるが、今更って感じ。昔、天皇は御簾の後ろに隠された、庶民には与り知らぬ世界の人だった。誰がなろうと、庶民には関係無かった。でも今は違う。系譜を遡って男系男子を連れてきて、「 明日から、この人が天皇です 」 と言われても、国民は納得しない。

 

そもそも男系継続の大前提、悠仁親王の嫁になる令嬢はいるかな?

週刊誌にある事無い事、ボロクソ書かれても反論も出来ない。そのくせ、男児二名以上生む義務は強要される。生めなかったら、また叩かれる。自由も無い。礼儀作法を身に付けなくてはならない。保守・革新、両側からあるべき姿を叱責され、マスコット扱いされ、戦争責任を負わされ、言論攻撃だけではなく、時には火炎瓶を投げつけられる。

世界各国の美味いものを食べられるけれど、慣れてしまえば飽きる。セレブや有名人に会えるけれど、やがて日常になる。二度とエコノミークラスに座ることは無いが、バリ島のビーチで大胆な水着を付けてダラダラ過ごすこともできない。女子会で飲み過ぎて、くだを巻くこともゲロ吐くことも出来ない。

本当に「 堪え難きを堪え、忍び難きを忍ぶ 」。言いたいことも言えない、微笑むべき時に微笑まなければならない。怒ることは許されない。見かけの優雅さと裏腹に、日本で一番窮屈な一家。金と自由を持つイマドキのお嬢様が、そんな一家に入りたいかなあ。

せめて、自分の意見を言う自由だけでもあるといいのだけど。

 

一周回って、こう思う。

「 もし、天皇家の人たちが辞めたいなら、もう止めてもいいかもしれない。そういう選択肢があっても良い。 」

 

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この日、儀式の始まる午後1時頃に雨は上がった。映像には登場しなかったが、虹も出たようだ。5月4日の一般参賀の日も晴れた。天皇陛下が下々の前に顔を出す時には晴れる。ひょっとしたら、11月のパレードの日も晴れるかもしれない。

さすがは太陽神の末裔。